Column ーコラムー
2023.07.15
これって火傷?判断ポイント
医療脱毛の火傷と日焼けはよく似ている
医療脱毛によって生じる火傷(熱傷)は、ほとんどが皮膚の表面の浅い層(表皮)に生じるものにとどまります。医療脱毛の火傷は高熱によって表皮が広範に障害された病変ですが、他の原因によって表皮が広範に障害されたものとよく似ています。身近なもので例を挙げれば、日焼けです(※)。
医療脱毛で火傷すると、海水浴でできた日焼けのように、赤みを帯びてヒリヒリします。日焼けしたような感じになったら、火傷をしたと判断できるポイントとなります。 水ぶくれができるような強い皮膚炎があれば、自信をもって火傷だといえますが、そこまでひどい火傷になることは、きわめてまれです。
※日焼けは、光による皮膚炎ですが、高熱による障害ではなく、医療脱毛による火傷とは原因の種類が異なります。
微妙なケースについての考え方
医療脱毛直後の赤みは半日程度で消えることが通常です。レーザーの刺激によって蕁麻疹の反応が起きてしまって赤みとかゆみが出ているケースと、少しひりつく程度の軽い火傷が起きているケースは、区別が難しいことが多いです。
少し専門的な目線で見ると、炎症反応があるかないかという点で区別します。
触らなくてもジンジンと痛みが出ている場合は、炎症反応があると考えられるため、火傷になっている疑いが強くなります。毛嚢炎でも炎症反応はありますが、痛みが出るほど強い炎症となることはまれです。
また、赤みが炎症反応でない場合は、蕁麻疹の反応だと思われますが、この場合は24時間以内に消失することが特徴ですので、24時間を過ぎても消えない赤みは火傷による炎症反応である可能性が高いということになります。
さらに、赤みが退いた後に黒ずんだ場合は、炎症反応が存在していたという証拠になりますので、火傷があった可能性が高いといえます。
クリニックでの実際の運用について
多くのクリニックでは、2、3日程度で治るような赤みについては様子を見てもらって、それでも治らなかったら火傷の疑いで受診を勧めるという運用をしているようです。
しかし、3日も赤みが続く場合は、火傷である可能性が高いと思われます。無治療で済む程度の火傷なのか積極的に治療をしたほうがいい火傷なのかということで、一定の日数で区別しているのだと思われます。
火傷だと疑ったときにまずやること
火傷をしたかもしれないことをすぐに施術を受けた医療機関に伝えてください。
レーザー照射直後であれば、冷却が有効です。流水で5分程度冷やすと、炎症反応が小さくなり、治りが早くなり、黒ずみの程度も軽くなります。
時間が経っていたとしても、赤みがあるうちは、ステロイドの塗り薬が有効です。
ここで、ステロイドを塗ると黒ずむから嫌だと考える方がいらっしゃるかもしれません。塗ったら黒ずんだのでそう思うかもしれませんが、ステロイドを塗ることと黒ずむことは関係ありません。日焼けにステロイドを塗らなくても黒ずみます。むしろ、早めにステロイドを使うことで黒ずむ程度が軽くなります。